本書では、失敗に対するアプローチの違いが組織や個人の成長にどのような影響を与えるかについて、多くの事例を交えながら詳しく解説しています。原因を分析し、改善策を見つけることが重要と指摘しています。
失敗を隠蔽したり、責任を回避する組織や個人は、失敗から学ぶことができず、成長も進歩もしないと著者は述べています。失敗へのアプローチに対する変え方などについても解説されています。
このような現象を
「クローズド・ループ現象」
失敗や欠陥に関わる情報が放置されたり曲解されたりして、進歩につながらない現象や状態
「オープン・ループ」では失敗は適切に対処され、学習の機会や進化がもたらされる
この現象で対峙されているのが
医療業界 と 航空業界
医療業界は
「元々重傷であったため致し方ない・・・」
「不測の事態だった・・・」
など、ミスの隠蔽が正しい事だと信じ、実践してしまっている
そして、ミスを起こした個人に責任が集中しやすくなっているのもあり、隠蔽が起きやすい
失敗に対する姿勢が問題だと書かれている
医療業界は「完璧でないことは無能に等しい」という考え方があり、失敗は脅威だと感じている
いっぽう、航空業界では通常
パイロットは正直にオープンな姿勢で自分のミスと向き合う
また事故調査のため、強い権限を持つ独立の調査機関が存在する
失敗は特定のパイロットを非難するきっかけにはならない
失敗は貴重な学習のチャンスととらえている
失敗から学んでシステムを改善する方法は、旅客機にも何十年にわたって適用されており、非常に高い成果が出ていると言われている
このように 失敗から学ぼうとする姿勢 が重要であるという
「失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織」は、失敗に対するアプローチの違いが、組織や個人の成長にどのような影響を与えるかについて理解したい人や、自分自身や組織の失敗を受け入れる、改善するためのアプローチを見つけたい人にとって、参考になる一冊となっています。
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